
冷凍機械の勉強(圧力や用語)
Contents
- 1 はじめに(私の感覚として)
- 2 ゲージ圧力・絶対圧力・大気圧の関係
- 3 いちばん大事な式
- 4 具体的なイメージ
- 5 熱流量って何?
- 6 イメージ(熱量と熱流量の違い)
- 7 冷凍機械だと何を表してる?
- 8 どうやって計算する?(よく使う形)
- 9 日常で見かける例
- 10 ここだけ押さえると混乱しにくい
- 11 電気のVAのWとは別のWということですか?
- 12 VA と W の違い(交流の電力)
- 13 「熱流量W」と「消費電力W」は一致する?
- 14 比熱・比体積・比エンタルピー・JRT・冷媒循環量・p-h線図を“現場の使いどころ”でつなげて理解する
- 15 比熱(ひねつ)とは
- 16 比体積(ひたいせき)とは
- 17 比エンタルピー(ひエンタルピー)とは
- 18 日本冷凍トン(JRT)とは
- 19 冷媒循環量とは
- 20 p-h線図とは
- 21 ぜんぶの繋がり(この単元のゴール)
- 22 最後に:実務で迷ったときの見方
はじめに(私の感覚として)
日常生活では「圧力」を意識することは温度ほど多くありません。ですが冷凍機械の現場や勉強では、絶対圧力・ゲージ圧力・大気圧の3つの存在を知っているかどうかで、圧力計の読み方や計算の整合性が大きく変わります。
現場の圧力計(ゲージ)に表示されるのは基本的にゲージ圧力です。一方で、理論式やデータの整理など“計算の世界”では、基準が真空(0)である絶対圧力が必要になる場面があります。
そのため、ゲージで読んだ圧力を理論値側に合わせるときは、ゲージ圧力に大気圧を足して絶対圧力に直す、という整理になります。
ゲージ圧力・絶対圧力・大気圧の関係
大気圧
私たちは常に空気に押されています。この“空気の押す力”が 大気圧 です。
海面付近ではおおよそ 0.101 MPa(≒101 kPa) で、実務や計算では 0.1 MPa として扱うことも多いです。
絶対圧力(真空を基準にした圧力)
真空を 0 とした基準で表す圧力が、絶対圧力です。
「圧力がどれだけ存在するか」を“ゼロから”数えるため、理屈や計算ではこちらが自然です。
- 真空:0 MPa(abs)
- 大気:0.101 MPa(abs)くらい
ゲージ圧力(大気圧を基準にした圧力)
一方で、現場の圧力計が見ているのは多くの場合 ゲージ圧力です。
これは 大気圧を 0 とする表示です。
- ゲージが「0」を指している状態は、真空ではなく 大気圧と同じ状態
- ゲージがプラスなら「大気圧より高い」
- ゲージがマイナスなら「大気圧より低い(真空寄り)」
いちばん大事な式
この3つは“基準が違うだけ”なので、関係はシンプルです。
- 絶対圧力 = ゲージ圧力 + 大気圧
- ゲージ圧力 = 絶対圧力 − 大気圧
現場でゲージを読んで、計算・理論の土俵(絶対圧)に合わせたいときは、基本的に
「ゲージの値に 0.1 MPa(大気圧)を足す」
と覚えておくと迷いにくいです(厳密には 0.1013 MPa )。
具体的なイメージ
圧力計が 0.8 MPa と表示しているとき
これは **0.8 MPa(ゲージ)**のことです。
絶対圧に直すなら、
- 絶対圧 ≒ 0.8 + 0.1 = 0.9 MPa(abs)
圧力計が −0.05 MPa と表示しているとき
これは「大気圧より低い」状態で、真空に近づいているイメージです。
絶対圧に直すなら、
- 絶対圧 ≒ −0.05 + 0.1 = 0.05 MPa(abs)
熱流量って何?
「熱量」はエネルギーそのもの(どれだけの熱が移動したか)で、単位は J(ジュール)。
それに対して「熱流量」は、時間あたりにどれだけ熱が移動しているかなので、
- 熱流量 = 熱量 ÷ 時間
- 単位は W(ワット)= J/s
になります。
イメージ(熱量と熱流量の違い)
イメージは「水の量」と「水の流量」に近いです。
- 熱量:バケツに入った水の量(どれだけ溜まったか)
- 熱流量:蛇口から出る水の勢い(1秒にどれだけ出るか)
「どれだけ熱があるか」ではなく、**“どれくらいの速さで熱が移動しているか”**を見ているのが熱流量です。
冷凍機械だと何を表してる?
冷凍機械は「熱を運ぶ機械」なので、熱流量はそのまま
- 冷却能力(どれだけ冷やせるか)
- 加熱能力(どれだけ暖められるか)
を表す中心の量です。
たとえばエアコンの「2.8 kW」とかは、まさに「熱流量」の表示です。
(※冷房なら“部屋から外へ運べる熱の速さ”、暖房なら“外から部屋へ運べる熱の速さ”)
どうやって計算する?(よく使う形)
冷凍・空調で頻繁に出るのはこの形です。
1) 質量流量を使う形(冷媒・水・空気)
Qdot = mdot × (h2 − h1)
- Qdot:熱流量 [W]
- mdot:質量流量 [kg/s]
- h:比エンタルピー [kJ/kg](冷媒表で見るやつ)
冷凍サイクルの「蒸発器で吸い上げた熱」「凝縮器で捨てた熱」を表すときに出てきます。
2) 温度差と比熱を使う形(水・空気でよく使う)
Qdot = mdot × c × ΔT
- c:比熱 [kJ/(kg·K)]
- ΔT:温度差 [K または ℃](温度差なので同じ扱いでOK)
「水を何kg/s流して、何℃上がった(下がった)」みたいな話のとき便利です。
3) 熱が“漏れる/伝わる”を扱う形(壁・配管・断熱)
Qdot = U × A × ΔT
- U:熱貫流率
- A:面積
- ΔT:温度差
断熱が弱いと、ここが増えて「冷えが悪い」「霜がつく」「効率が落ちる」に繋がります。
日常で見かける例
- エアコンの kW表示
- 電気ヒーターやドライヤーの 消費電力W(電気→熱に変わるので、ほぼ熱流量の目安)
- 電子レンジの 500W/600W(加熱の“速さ”の感覚)
ここだけ押さえると混乱しにくい
- 熱量(J):どれだけ熱が移動したか(総量)
- 熱流量(W):どれだけの速さで熱が移動してるか(能力・性能)
電気のVAのWとは別のWということですか?
**同じ W(ワット)**です。単位としてはどちらも 「1秒あたりのエネルギー」= J/s を表します。
ただし、分野によって “何のエネルギーの流れをWで表しているか” が違います。
熱流量のW(熱のW)
- 熱が移動する速さ(部屋から奪う熱、外へ捨てる熱、加える熱)
- 例:エアコンの「冷房能力 2.8 kW」= 2.8 kJ/s の熱を運べるという意味
電気のW(電力のW)
- 電気エネルギーが使われる(変換される)速さ
- 例:消費電力 1.0 kW= 1.0 kJ/s の電気エネルギーを使うという意味
つまり、
- 熱のWも電気のWも“単位は同じ”
- 違うのは 何が流れているか(熱か電気か)
VA と W の違い(交流の電力)
交流では電力に2種類出てきます。
- VA(ボルトアンペア):見かけの電力(Apparent Power)
S = V × I [VA] - W(ワット):有効電力(Real Power)=実際に仕事や熱になる分
P = V × I × cosφ [W](cosφ は力率)
関係は
W = VA × 力率
例:1000 VA、力率0.8なら → 有効電力は 800 W
「熱流量W」と「消費電力W」は一致する?
状況によります。
- 電気ヒーターみたいに電気→熱にほぼ全部変わる機器は
消費電力W ≒ 発熱(熱流量)W(ほぼ一致) - **冷凍機(エアコン)**は
消費電力(電気のW)よりも、運べる熱(熱流量のW)の方が大きいことが普通です。
例:消費電力 1 kW で、冷房能力 3 kW みたいに(COPの話につながります)
だいぶ昔にGoogleの面接受けたときになんかCOPのことを聞かれた気がしますね・・・。そのとき全然答えられなかった思い出があります。実務でも一応機器を管理する側にいたんですが、実務と知識の面ってこういう感じで資格の勉強なり、書籍なりで情報とっていかないと聞いたり覚えたりすることってあんまない気がします。特に私が行っていた業務はかなりオペレーションに近い側で設計みたいなほうじゃなかったんでなおさらですね。いろいろ現場の仕事もしてきましたが力率とかもその仕事で初めて聞いたようなワードで色々と刺激になりました。いきなり勉強で知らないワードばかりだとやる気なくなって、学校での勉強のようにこれなんの役に立つの。くらいで面白くないですが、実務であのとき聞いたなとか思い出すと自然にやる気がでますね。まあとりあえず、この冷凍機の勉強においては消費電力と熱流量はともにWで示され、冷媒を循環する冷凍サイクルにおいては消費電力よりも冷房・暖房能力のWのほうが大きくなり、それがCOPという値で示されるということを学びました。
比熱・比体積・比エンタルピー・JRT・冷媒循環量・p-h線図を“現場の使いどころ”でつなげて理解する
冷凍機械の勉強をしていると、比熱・比体積・比エンタルピー、日本冷凍トン(JRT)、冷媒循環量、p-h線図…と用語が一気に増えて、頭の中でバラバラになりがちです。
でも実際の現場では、これらは「暗記して語る」よりも、
- 測る(圧力・温度・流量など)
- 状態を決める(いま何が起きているか)
- 必要なら能力や循環量を計算で裏付ける
という流れの中で、“道具として”使われます。
比熱(ひねつ)とは
比熱は **「1 kgの物質の温度を1℃(=1K)変えるのに必要な熱量」**です。
- 記号:c(空気や水などはだいたい cp を使うことが多い)
- 単位:kJ/(kg⋅K)
冷凍・空調での基本式はこれです。Q˙=m˙cΔT
「水を何kg/s流して、何℃下がった(上がった)」が分かれば、それだけで 熱流量(能力) が出せます。
現場感でいうと
- **冷水機(チラー)**で「入口12℃→出口7℃」みたいに温度差が取れると、
水量(流量)×温度差で「今どれくらい冷やせてるか」を見積もれます。 - 冷えないと言われたときも、冷媒側の圧力だけ見ても判断が難しいことがあるので、
まず水(または空気)側で“能力が出てるか”を確認するのに使えます。 - 省エネや性能確認で「仕様通りのkW出てる?」をチェックするときにも、ここが一番わかりやすい入口になります。
比体積(ひたいせき)とは
比体積は **「1 kgあたりの体積」**です。
- 記号:v
- 単位:m3/kg
- 密度との関係:密度 ρ の逆数(v=1/ρ)
冷凍機械で比体積が効いてくる理由は、圧縮機が感覚として “質量”より“体積”を吸い込む機械だからです。冷媒の状態(圧力・温度)で v が変わると、同じ吸込み体積でも流れる“質量”が変わり、能力や運転条件に影響します。
現場感でいうと
- 吸込みが過熱しすぎたり、吸込み圧が落ちてガスがスカスカになると、
圧縮機は回ってるのに冷媒の質量が流れにくい → 能力が伸びない、という方向に行きやすいです。 - 同じ「圧縮機」でも、運転条件で“吸える実力”が変わるイメージが持てると、
「なぜこの状態だと能力が出ないのか」が腹落ちしやすくなります。 - 機器選定では、最終的にメーカーの選定表がやってくれますが、
その裏で効いている感覚が 比体積=吸込みのスカスカ具合 です。
比エンタルピー(ひエンタルピー)とは
比エンタルピー(specific enthalpy)のことです。
比エンタルピー h は **「冷媒1 kgが持っている“流れのエネルギー”をまとめて扱う量」**で、冷凍計算の中心になります。
- 記号:h
- 単位:kJ/kg
冷凍サイクルでは、機器ごとの h の増減がそのまま熱や仕事になります。
- 蒸発器で奪う熱(冷凍能力)
Q˙e=m˙(h1−h4)
- 圧縮機の仕事(消費電力の元)
W˙=m˙(h2−h1)
- 凝縮器で捨てる熱
Q˙c=m˙(h2−h3)
現場感でいうと
- 現場で「h」を直接測ることは少ないです。代わりに 圧力と温度を測ります。
それを元に冷媒表や線図で状態を追うと、**“数字で説明できる”**ようになります。 - 「冷えない」「電気代が上がった」の原因を、感覚だけでなく
能力(Q˙\dot{Q}Q˙)と仕事(W˙\dot{W}W˙)の釣り合いで整理したいときにhが効いてきます。 - メーカーの選定・性能計算・資料は、最終的にhで話していることが多いので、
現場とメーカー資料をつなぐ共通言語として役立ちます。
日本冷凍トン(JRT)とは
**日本冷凍トン(JRT / JRt)**は、冷凍機の能力(=熱流量)を表す昔からの単位です。
- 定義:0℃の水1トン(1000kg)を、24時間で0℃の氷にするのに必要な冷却能力
- 換算:1 JRT = 3320 kcal/h = 約3.86 kW
現場感でいうと
- 古い設備の銘板や資料で「○○トン機」と書かれていることがあります。
そのとき kWに直して会話を揃えるための翻訳機になります。 - 複数台の設備がある現場で「合計何トン」みたいに言われるときも、
結局は 能力(熱流量)の合計の話なので、kWに直すと比較が簡単です。
冷媒循環量とは
冷媒循環量は、冷媒が回路を **「どれだけ流れているか(時間あたり)」**です。
- 記号:m˙(質量流量)
- 単位:kg/s や kg/min
冷凍能力(熱流量)が分かっていて、蒸発器入口/出口のエンタルピー差が分かると、必要循環量はこう出せます。m˙=(h1−h4)Q˙e
現場感でいうと
- 現場で直接「冷媒循環量○○kg/s」を測る機会は多くないですが、
膨張弁の開度、フィルタ詰まり、配管抵抗、冷媒量などは全部“流れ”に影響します。 - つまり循環量は、現場の言い方に直すと **「冷媒がちゃんと回ってるか」**そのもの。
回らないと能力が出ません。 - 「冷媒量不足っぽい」「膨張弁が絞れてる/詰まってる」みたいな話は、
結局は 循環量が足りない方向として整理できます。
p-h線図とは
p-h線図は、縦軸が圧力 p、横軸が比エンタルピー h のグラフです。
- 縦:圧力 p(多くは対数目盛)
- 横:比エンタルピー h
冷凍サイクル(1→2→3→4→1)を描くと、どこで何が起きているかが一気に見えるようになります。
p-h線図での各機器の動き
- 1→2 圧縮(圧縮機):圧力も h も上がる(上方向+右方向)
- 2→3 凝縮(凝縮器):高圧のまま熱を捨てて h が下がる(だいたい左へ)
- 3→4 膨張(膨張弁):**等エンタルピー(h一定)**なので 縦に落ちる
- 4→1 蒸発(蒸発器):低圧のまま熱を吸って h が上がる(だいたい右へ)
現場感でいうと
- 現場で触るのは「低圧・高圧の圧力計」と「吸込み管・液管などの温度計」が中心です。
p-h線図は、それらの測定値が サイクル上のどこにいるかを“地図”として整理してくれます。 - 「膨張弁は等エンタルピーで落としている」みたいな表現も、
線図で見ると “縦に落ちる” で一発でイメージできます。 - 過熱・過冷却を“数字”で追うだけじゃなく、**位置(どっちに寄ってるか)**で掴めるのが強いです。
ぜんぶの繋がり(この単元のゴール)
冷凍機械の計算は、最終的にこのセットで回ります。
- 能力(熱流量):Q˙(kW や JRT)
- 蒸発器で1kgが運ぶ熱:(h1−h4)
- 必要な冷媒循環量:m˙=Q˙/(h1−h4)
- 圧縮機の仕事:W˙=m˙(h2−h1)
- p-h線図:それらの h を読む“地図”
- 比熱:水/空気側から能力を出す入口(Q˙=m˙cΔT)
- 比体積:圧縮機が“吸える実力”の感覚に効く
最後に:実務で迷ったときの見方
現場でまず手元にあるのは多くの場合、
- 圧力(低圧・高圧)
- 温度(吸込み・液管など)
- 水や空気の温度差(入口/出口)
- 流量(取れる現場なら強い)
です。
そこから **「水/空気側で能力(比熱ルート)」と、「冷媒側で状態(p-h/エンタルピールート)」**を行き来できるようになると、用語がバラバラにならずに一本の線になります。
難しいっすね。昔の自分だったらとっくに諦めているレベルかも・・・。買った書籍読みながら、ブログ書くためにChatGPTに聞きながら、さらにそれを読んで自分で分からなかったこと、現場感を加えて出力してもらいました。本当は現場で実際に機器をみながらOJTなど受けられたら最高なんですがね。今その仕事に就いてないとだめだから難しいよね。正直なところひと昔前みたいにガチの勉強というか自分の頭に、身につける!って感じではないかもしれないけど、そもそもハードル高いとやる気が続かなくて頓挫したりするし、AIとかいろいろ活用しながらゆるりと勉強していくのが自分にはあってるかもしれません。ちなみにこの記事については車で出かけて道の駅でスマホテザリングしながら作成しました。出先の画像とか撮りながらそれもつけて記事完成かな。数年前に買ったノートパソコン全然使う機会なかったし、出先でノートパソコン開いて記事書くってなんかいいっすね。3連休の大雪のため帰りはスバルの4駆で雪道楽しめそうです。

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